注文住宅作品01番
光と風が滝のように降り注ぐ家
中澤建築設計事務所として独立し、手がけた最初の住宅です。いわば建築家デビュー作です。施主は高校の同級生です。仲の良いという関係でもなく、お互い知っているという程度でした。私が独立すると共通の友人から聞きつけて、声をかけてくれました。ご両親に会い、何も示すものはないけど、私を信じてくださいと、自分の建築観を語りました。また、「仕事を依頼されれば独立します、だめなら路頭に迷う」と半ば脅迫じみたお願いをしました。人生は不思議なものです。この根拠もない情熱を受け入れてくれて、依頼されることになりました。
■ コンセプト
この建物の建つ地区は、昔から変わらぬ風景を残すのんびりしたところで、富士山の地下水が湧き出る土地柄でした。水にまつわる神社や寺が点在し「泉の里」と呼ばれていました。そんな「水の流れ」を建物に表現できないかと考え、各部屋どこにいても光と風が滝のように降り注ぐような設計を心がけました。私が建築家になるための設計信条とした「自然との共存・有機的建築」につながったと考えています。平面的にもX軸、Y軸方向にそれぞれ風が抜けるように工夫しました。玄関前に道路から玄関内が見通せないように、屋根のある待合所を作り、玄関引戸を全開するとホールと待合所の境界があいまいになり、自然と人を迎え入れる演出をしました。
■ 家づくりの延長戦
この土地は、竹採公園(かぐや姫発祥の地のひとつと言われている)の近くでした。設計当時知り合ったフラメンコギターリストの吉川二郎氏が、かぐや姫を題材とした曲を構想していました。かくして新築披露時に見学会のイベントとして、コンサートという形で、構想した曲「月の宮古」を披露してもらう事になりました。この縁が始まりで、富士市で吉川二郎氏のコンサート企画をすることになりました。施主と私の二人三脚で始まった活動が、
JIRO富士ファンクラブという会に発展し、現在、多数の会員の協力のもと、運営されています。施主とは、それ以来高校時代とは比較にならない、付き合いの深さとなりました。家づくりが人間関係を深めてくれたと思っています。
| DATA |
カタログ |
K邸 静岡・富士市
竣工 1995年6月
構造/RC造+木造在来工法
地下1階地上2階建
家族構成/施主+両親
敷地面積/418.49u(126.59坪)
延床面積/184.38u(55.77坪)
地階/ 26.77u( 8.10坪)
1階/ 88.68u(26.83坪)
2階/ 68.93u(20.85坪)
用途地域/住居地域
建ぺい率 / 60%
容積率/160%
工事施工/ 瀬川建設
コンクリート工事/ 勝又組
床暖房工事/ 協和熱学工業
住宅作品紹介ダイジェスト
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