注文住宅作品05番
新しいスタイルの2世帯住宅(スープの冷めない距離)
30メートルの細長い私道の先に、60坪の土地がありました。いわゆる旗ざお敷地というものです。親子でそれぞれ車を持ち、3台が常に使われていました。現状では、3台が私道に縦に並び、出し入れするたびに入れ替えをするという、実に不便な状態でした。建替えるにあたっては、この状況を解消する事と、この機に本格的に住まう2世帯(親世帯、息子世帯)が、お互いのびのび暮らせるような提案を求められました。
■ コンセプト(スキップで干渉を避ける)
敷地は周りより一段低く、脇には小川が流れ、風通しがよくない土地でした。1階に3台の車が入るスペースを確保するため、RCと木造の混構造を提案しました。駐車スペースを確保するため、コンクリートの大梁でスパンを飛ばし、上部を軽い木造(2層分)にすることで、大胆な構造が可能となったのです。親世帯の地下にはRCの倉庫を作りました。敷地の支持層が地盤下1.2メートルまで掘る必要があったので、埋め戻さないで半地下として利用したのです。
親世帯、子世帯はそれぞれ独立して機能が揃い、中庭をはさんで向き合うプランとしました。このプランの大きな特徴は、お互いの視線が交わらない様に建物の床レベルを半分の高さでずらし、お互いの生活が干渉しない様に心がけたことです。中庭は2階レベルでグレーチングの床を使ったテラスとして、風通しをよくしました。光あふれる中庭には、互いのバルコニーがらせん階段で結ばれ、外から直接部屋に入れるようになっています。お互いの生活圏を明確にし、付かず離れずの関係にした事で、それぞれが思い思いの生活スタイルを保っていられるようになりました。
■ スープの冷めない距離の関係
週末にはお孫さんが、おじいちゃん家に泊まるといって、遊びに行くそうです。60坪の敷地内にあっても、他人の家に泊まりに行く感覚が持てる「スープの冷めない距離」の2世帯住宅となったのです。
■ 2世帯設計のポイント
ご両親が揃っている2世帯では、しばしば嫁、姑の問題が発生します。これは皆さんがご存知のようにお互いが気を遣い、設計者も十分に注意を払って設計します。意外と気づかないのが親子の関係です。父、息子のような実の親子では、互いのことを言い出しにくく、内に秘めているものです。この機に親から独立してもらいたい父と、まだ甘えたい息子、またその逆もあります。具体的なプランに反映しずらい父子の心情を察する心配りが、2世帯設計では大事だと思います。
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カタログ |
M邸 静岡・富士市
竣工 1999年4月
構造/RC造+木造在来工法
地下1階地上3階建
家族構成/夫婦+子供2人+両親
敷地面積/209.72u(63.44坪)
延床面積/285.02u(86.21坪)
地階/ 55.80u(16.88坪)
1階/ 60.85u(18.41坪)
2階/113.47u(34.32坪)
3階/ 54.90u(16.61坪)
車庫/ 57.42u(17.37坪)
用途地域/準工業地域
建ぺい率/60%
容積率/200%
工事施工/建築工房わたなべ RC施工/山田土木
床暖房工事/協和熱学工業
ステンレス工事/飯田板金工業
04 若さと調和した革新的プランの家
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