旭村の家/若さと伝統が調和した混構造の家

  • 所 在 地 :茨城県鉾田市
  • 竣  工:2006年3月
  • 構  造:RC造+木造在来工法  地上2階建て
  • 延床面積:184.52㎡ (55.82坪)車庫含む
  • 敷地面積:339.50㎡ (102.69坪)
  • 備  考:蓄熱式温水床暖房 平面的異種構造

 

若い施主と一緒に挑戦する

「オヤブン(施主からそう呼ばれていた)かっこいいのにしてよ!」という30代前半の若い施主のため、若さ(コンクリート打放し)を前面に出しつつ、伝統(木造在来工法)との調和をテーマにしました。

コンクリート打放しというシャープさと、木造の持つやわらかさが融合しています。施主の細やかなこだわりが、確実な職人技術を通して個性あふれるデザインを実現しています。 高い天井と大きな窓から光あふれる空間は、「モダンリビング」と呼ぶにふさわしい、デザインにこだわる若い世代への生活提案です。

平面的な異種構造で木造とRC造を結ぶ

該当敷地は、施主家族が経営する保育園に隣接した、広大な土地の一部です。周りの保育園の建物が大きいので、建物が小さく見えない工夫が必要でした。そして、開放的で視線を適度に感じながらも、プライバシーが保てる空間が希望でした。

保育園側から見た時に大きな建物に見えるように横長のプランとし、さらに地上から浮き上がらせ、リビングダイニングを中間階に設定して、開放的な大窓を作りました。こうした希望をかなえることのできる構造として、コンクリートと木造の混構造を選び、平面的な異種構造を階段部のエキスパンジョイントで結ぶ挑戦的設計となったのです。

施主の要望

室内は勿論の事、目前に広がる保育園を見渡せるダイニングキッチンが希望でした。思い切ったオープンキッチンとして、側面も前面も大きな窓で囲みました。天井が高くキッチンにも、たっぷりと太陽光が射し込みます。空間が大きくても、蓄熱式床暖房で快適に暮らせる、開放的なつくりのリビングダイニングキッチンです。

どこからも見えるのでデザインを重視し、打放しの壁や天井吊のステンレスフードと、若い人らしい希望が盛り込まれました。それでいて、大きなシンク(トーヨーキッチンの3段シンク)とIHと食洗機がコンパクトにまとまり、シンプルな動線から意外と使いやすいと喜ばれています。近くに住む祖父母のために工夫したスキップフロアーで、玄関からリビングまで階段5段で上がれるのも、休日には3世代で食事をしたいと願う施主の配慮に応えたものです。

 

2020年10月15日