寺市場の家/音楽ルーム付きの風の通る家

  • 所 在 地 :静岡県富士市
  • 竣  工:2000年4月
  • 構  造:木造在来工法  地上2階建て
  • 延床面積:115.50㎡ (34.94坪)
  • 敷地面積:189.35㎡(57.28坪)
  • 備  考:音楽ルーム

 

重量ブロックを積み上げた音楽室の提案

施主は当時東京に住んでいたのですが、富士の実家の敷地内に建てるという事でした。東京に住んでいて富士でも仕事をしている私に声をかけて頂きました。私が2歳まで暮らしていた家の隣の土地で、施主曰く、遊んでもらったという話です。2歳では記憶にありませんが、懐かしい土地で、意欲が湧きました。

さて、何十年ぶりの再会にて、必要最小限の小さな家を求められました。小さいからといっても、趣味の音楽の仲間が集まるのでその時には大勢の人をもてなすスペースがほしいという要望です。夫は指揮者をしていて、妻は演奏者です。別々の楽団に入っているという、熱のいれようでした。練習部屋がほしいということで、重量ブロックを積み上げた音楽室を、木造の中に配置する提案をしました。これはお金をかけずに防音室を作る作戦です。

また、小さい空間を広く使える方法として、和室の北側の廊下も部屋の一部として捉えました。いわば、縁側が北側についていると思って下さい。部屋と部屋の境は、引き込み戸で区切ります。和室は4畳しかないのですが、開けたときは居間、廊下が一体となり、10数人の宴会も可能です。この引き込み戸は1階だけで、7ヶ所あります。

結果的に真ん中をえぐったようなプランになり、南北の距離が短くなったので風がよく通り、タタミに寝転がっていると、実に気持ちが良いそうです。

 

2020年10月19日