吹上の家/一文字瓦を使った大屋根の家

  • 所 在 地 :静岡県富士市
  • 竣  工:1996年10月
  • 構  造:木造在来工法 地上2階建て
  • 延床面積:178.41㎡ (53.97坪)
  • 敷地面積:1010.94㎡ (305.81坪)
  • 備  考:蓄熱式温水床暖房

 

建替えの決め手になったのは大屋根

施主は子供の頃からの友人です。小、中、高校時代と何百回も遊びに行った家です。知り尽くした土地で、たびたび夕食をご馳走になり、ご両親とも旧知の仲です。まるで家族のように接してきた縁のある家族の家を設計依頼される事になるとは、うれしいかぎりです。

実は最初は増改築案と、新築案の二つで進みました。数ヶ月の間、スケッチを何案か提案後、今迄、増築を繰り返していたので、その先また手を入れないとならないなら、思い切って新築(建替え)にしようとなりました。

決め手になったのは大屋根でした。増築ではどうしても繋いだ形になり、屋根がすっきりしない。父親の希望は屋根が瓦で、堂々とした佇まい。若い世代に配慮し、すっきりとした一文字瓦を使い大屋根の割に全体を軽く見せる事に注意しました。

内部は、和風を強調しながらも現在の洋風な生活様式に違和感なく入り込めるように和洋の境なく統一したデザインを心がけました。構造的には上り梁を多用し、小屋裏空間をできる限り納戸などに有効に利用できるように設計しています。

当時、普及しだしたプレカットを採用。上り梁を採用したことで、プレカットを始めたばかりの材木やと3ヶ月に及ぶ打合せと試行錯誤の結果、ようやく上棟を迎えました。この時の経験が大きく、現在当たり前となった、プレカットには考え深いものがあります。

 

2020年10月23日