店舗改装(ケーキショップ)/無垢の建築素材にこだわったパティスリー

  • 所 在 地 :静岡県富士市
  • 竣  工:2011年8月
  • 構  造:店舗改装

 

季節感のある演出

最初にパティシエにお会いした時に、自分が創るケーキには季節感を出したいと言いました。私も常々、日本に住む事の喜びは四季にあると思っています。そしてそれは日常の建築の本質的テーマでもあり、作られるケーキが建築にどう結び付けられるか思いをはせました。店舗の内装素材にこだわったのは、季節により変化する湿度を機械的な調整だけに頼らずに、自然素材の持つ湿度調整の可能性に求めたからです。

例えば、調湿機能が3倍以上の効用を発揮すると言われる木口面を使った「ウッドタイル」の収納扉と局面壁、堅木で土足でも耐えられる塗装いらずの床材「ユーラシアンチーク」、木目が美しく根っこの部分を意味する「マッパバール」の棚板、大理石の粉でできた自然素材「スタッコラースト」の局面塗り壁など。 料理の素材と建築の素材、パティシエとお互いに理解しあえたから選び出された答えだと思います。オーナーもふたりのやり取りを信頼して任せてくれました。

2020年10月09日